ユーコーコミュニティー秦野支店の柚木です。
屋上には防水工事が必須です。
防水工事と言ってもシート防水を始め、ウレタン防水、FRP防水、アスファルト防水など、屋根の形状や用途などによって施工方法は変わります。
今回は、防水工事の中からシート防水についてユーコーコミュニティー秦野支店が詳しく解説します。
シート防水とは
シート防水は、塩化ビニール製やゴム製でできた防水シートを貼り付けていく施工方法です。
防水シートは、工場で生産された製品を使用するので、一定の品質を保ちながら防水工事が行えます。
また、工法には密着工法と機械固定工法の2つがあり、施工する場所や状態によって変わります。
・密着工法
下地部分が水分を含んでおらず、雨漏りしていない状態であれば、密着工法が行えます。
密着工法は通気性がないため、下地部分に湿気が残った状態で施工してしまうと、湿気の逃げ場がなく不具合が起きてしまいます。
施工前には、下地部分を十分に乾燥させてからシートを貼るようにしましょう。
・機械固定工法
雨漏りしている部分にも施工できるのが機械固定工法です。
下地と防水シートの間に隙間を作り通気性を確保することができるので、湿気が残っていても施工可能です。
シート防水で使用するシートは、塩化ビニール製とゴム製では耐用年数も違います。
塩化ビニール製シートの耐用年数は13~15年で、シートの厚さは1.5~2.5㎜です。
ゴム製シートの耐用年数は10~12年で、シートの厚さは1.2~2㎜となっています。
ゴム製のシートは厚みがないので、衝撃が加わると傷がつきやすいため、塩化ビニール製シートを使っての施工が一般的です。
メリットとデメリットを見てみよう
【メリット】
・どんな素材の下地にも適用する適応する
既存の防水工事の施工方法に関わらず、施工できるのが一番のメリットです。
前回の防水工事の内容が、シート防水かどうかに関わらず、その上に直接施工可能です。
また、機械固定工法であれば、通気性も確保できるので、例え下地部分に湿気が残っていたとしても、影響を受けにくいので安心です。
・耐久性がある
シート防水の耐用年数は10~15年と長いです。
ウレタン防水の耐用年数は8~10年、FRP防水の耐用年数は10~12年、アスファルト防水の耐用年数は15~20年なので、ウレタン防水やFRP防水に比べると耐用年数が長いのが分かります。
紫外線や熱に強い特性があるので、最長15年の耐用年数を持ちメンテナンスコストも抑えることが可能です。
・広い面積の施工に適している
シート防水のシートは既製品のため、広い面積も一定の品質を保ちながら施工が行えます。
ウレタン防水のように感想い時間を設ける必要もないので、工期も短いです。
マンションや公共施設などの広い屋上も短期間で防水工事ができますよ。
【デメリット】
・複雑な形状には施工できない
既製品のシートを貼り付けていく工法なので、凹凸や入り組んだ形状の場所には不向きです。
複雑ない形状に合わせてシート貼ることで、どうしてもすきまができやすくなってしまい、そこから水が浸入してしまうと雨漏りにつながってしまいます。
複雑な形状が多い場合には、他の施工方法を検討してくださいね。
・振動音が気になる
機械固定工法での施工は、専用の機械を使ってシートを金具で固定していくので、振動音が発生し気になってしまう方もいます。
アパートやマンションなどでは、入居者の方に事前に作業時間や振動が発生してしまうことをお知らせしましょう。
説明なくいきなり工事に入ってしまうと、トラブルになってしまうので注意が必要です。
費用相場はどのくらい?
シート防水にかかる費用相場を見ていきましょう。
80㎡の屋上を例に挙げた場合、費用は80~100万円程度が相場です。
見積りは複数の業者に依頼して、内容や金額を比較して業者を決めましょう。
見積りをチェックする時には、「工事一式」とひとまとめにした見積書ではなく、工程が詳細に記載されているかどうか、施工面に違いはないか、使用する材料名やメーカー名、数量などの記載があるかどうか確認してください。
シート防水に適した屋上とは?
シート防水はどのような屋上に適しているのでしょうか。
・貯水槽やトップライトが設置されていない
貯水槽やトップライトが設置されていると、シートの継ぎ目がどうしても多くなってしまいます。
物があっても可動式のものであれば、シート防水での施工は可能ですが、固定されているものが多い屋上には不向きとなります。
また、凹凸の多い屋上も不向きなので理解しておきましょう。
・防水工事が2回目以降である
防水工事のメンテナンスとして施工する場合にもシート防水は適しています。
既存の防水工事の種類を問わず施工でき、組み合わせによって起こりやすい不具合の心配もありませんよ。
下地の状態を問わす施工できるので、工期も短く失敗する可能性も低いです。
シート防水は、屋上などの防水層のメンテナンスにもぴったりです。
メリットやデメリットをしっかり把握して、納得のいくメンテナンスを行いましょう。